中央線沿いのマンションのヨガ教室の窓から
ぬるくなった缶ビール。道端で燻ってるタバコの吸いさし。
すれ違う人の体臭。スマホで乾ききった眼球。
毎日の中に落ちている虚しさは言葉にすると
5度くらい体温が下がる。
でも紛れもなくそういう日常に生きていて、
だからキラキラした1日を手に入れたくて、みんな必死。
あまくてやさしくてだれもきずつかない、
みんながもとめてるキラキラ、
そんな非日常的なドラマはみたくない。
電車の網棚に忘れられた新聞の持ち主のドラマは
つまらないかもしれないけれど、
それは誰かが評価することじゃない。
ぜんぶぜんぶぜんぶ、そうだよ。
誰よりも生きてる、はげかかった人差し指のマニキュア。
昔からあったように鎮座する駅前のコンビニ。
深夜0時のファミレスで交換される電球。
一つ一つの灯りは夜景の一部にしかならないし、
階下の灯りが点いてるかさえ知ることのないまま、
今日も一日が終わるね。
誰かの景色にしかならない電球を
自分の部屋にも灯しては消す。
夜景になる短い時間。
ぱちん。