泣いて、凪いで、哭いて、鳴いて。

 

どの女とも同じものがついてるこの身体を欲する貴方は好きになれない。誰にも見せない自分だけの馬鹿みたいに優しい世界を愛してほしい。その世界を司るものとしてならば悦んでこの身体を捧げよう。でもそんなもので満たされるなんてやっぱりわたしの好きな貴方ではなくなった。

 

狡猾に壊れた果てに愛を得て満足するような貴方など要らない。

 

体内の浸透圧が高くなって流れ込んできた擦れ違いざまざまの生活をぐんぐん呑み込んで吐き出せずに御愁傷様。

 

甘美なノスタルジー、禁断の果実、甘い罠。

貴方に与えられたいものはこの全部であってどれでもない。

 

どうか、どうか、

優しい人の冷たさに安心してしまう弱さを

嗤って。