2015-01-01から1年間の記事一覧

わたし!わたしだよ!

第一声がなんとか詐欺みたいなその電話がきたのは12月のはじめだった。無論誰かは分からなくて、怖くて、何故見知らぬ番号に出てしまったのかと自分を呪った1分間。「どちらさまでしょうか」「わたし!」の応酬。一本調子なわたし(筆者)に折れたとみえて、彼…

ずっと早く卒業したくて、生きてきたの

大好きな金曜の夜から遠い一日が始まろうとしてる。永遠に満たされない変身願望を引きずって、精神なんていつだって不安定。「卒業」を待てなくなったいまは「いつか」を待ってる。ずっとなにかを待ち続けてしまうのは、結局自分からどこかへ向かう勇気のな…

わるい子になりたいよ いい子にしてるから

薬を飲んで、効いてきた瞬間、 どこまでもイケそうな気がするし、 どこにも行けない自分に安心しているベッドの上。 死ぬまでに痛み止めをあといくつ 飲むんだろうか。 痛みを麻痺させて鎮められる生きやすい世の中で 二粒で簡単に抑制される身体を使って 眠…

生生生生生。

初めて人骨を見たのは6歳の3月だった。 まだ春には程遠い北の3月。 時折思い出したように暖かくなり 路肩の雪融け水が側溝を汚し始める季節。 初めての春休み。 外はよく晴れていたというのに あの日は一日中家にいたのだったか、 おやつに出された蜜柑に歓…

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い でも

好きな人が 私の知らない日に 世界からいなくなってしまった。 それでもわたしはいまとうきょうにいる。 そしてこれからもしばらくはとうきょうにいる。 それは辛くて、 とても辛くて、 好きな人の日常に交わらないところで生きている事実を ぶつけられては…

とんことり。

最近よく、いい子だね、と言われる。 いい子。 近所の人は大抵言う。 「犯罪に手を染めるような子じゃなかったのに、 挨拶するいい子だったのに」 挨拶を交わすくらいの近所付き合いで 相手の何がわかるんだろう。 私は友人だって、恋人だって、そして両親の…

ふりっくりっく。

好きな人以外嫌いで、ううん、興味すらなくて、 興味がないということは、嫌い、の斜め上、 たぶん角度は 嫌い の底面から80度くらい遠い。 少し前まであんなに近かったのに、 もうずっと遠い誰かの タイムライン。 とりあえず、で繋がって、繋がった途端に …

ぐぼぐぼ。

好きなバンドは解散するし、 好きな作家の続編は出ないし、 好きな人は遠くに行くし、 私の好きなものは大抵散り散りになる。 やりきれなくて爆音で聴く背中のジッパーが沁みる。 中村文則を開いて主人公の名前を見て閉じた。 桜の花の狂気が都市の嬌声を造…

すぷんく!

「あー、中学のとき仲良かった子に似てるー!」 貴方と共有していない14歳に、どうして私が巻き込まれなくてはならないのか、 と思ってしまう程度には、人間である。 駅の階段で、パンプスのヒールだけを落として上に行く女のような器用さは、私にはない。 5…

いろいろいろいろ。

にめーとるもないかべのさき、まったくしらないへやのじんせいに、いっしょうかかわることはなくて、そんなことのくりかえしだ。 誰にも邪魔されずに、文字の羅列にだけ触れていると、ぽっかりとした穴が少しだけ満たされていく。 きょうはずうっとひとりで…